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掲載月:2026年4月
企業のAI活用における都市型データセンターの役割と価値
2026年3月24日(火)~3月25日(水)に東京都立産業貿易センター浜松町館において開催された「Data Center Japan 2026」。データセンター業界最大級の規模を誇り、2日間合計で8,677名の来場者を集めたこのイベントにおいて、TIS株式会社IT基盤技術事業本部で副事業本部長を務める穴太 隆(あのう・たかし)が「AI時代の都市型データセンター戦略~ AIインフラの変革期に、TIGが提供できる価値 ~」と題した講演を行った。この講演の内容をもとに、TISインテックグループ(TIG)が提供する都市型データセンターの特徴を紹介する。
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企業AIの活用事例
昨今、数多くの企業がAIの活用状況や成果などを発表している。企業法務などの世界では業界知識や社内ルールを学習した専用のLLMを構築し、実務を想定できるレベルの正答率・回答時間で稼働する例や、製造現場では、これまでのマニュアル運用ではカバーしきれなかった技術や専門知識の伝承を生成AIの活用により推進する例など、AIがすでに常時稼働する業務システムになっていることは明らかである。
業務密着型の企業AIに求められるものとは
業務インフラとなった企業AIは、汎用LLM単体ではなく、社内データや業務アプリなどとの連携によって業務改善に繋げることが本質だと言える。
業務に取り込まれたAIの用途は、学習から推論へと変化し、社内データを活用して業務そのものに用いられるようになっている。業務に活用される企業AIの重要な要素として挙げられるのは、既存の業務アプリケーションとの連携、使う方々にストレスを感じさせない低レイテンシ、データ主権、ソブリン対応などだ。
業務で活用される企業AIは、ユーザーに近い低レイテンシー環境と高い信頼性を備えた設備が重要な要素。
学習と推論に明確に分化したAIワークロード
McKinsey & Companyは、2030年までに推論が世界全体のAIワークロードの過半数を占めるという予測を発表している。AIを推論に活用する際に重要となるのは、低遅延、ネットワーク接続性、都市圏立地といった点である。
Edge DC(都市型データセンター)は、ユーザーや拠点に近い立地で、低遅延でリアルタイムの処理や機密性の高い重要業務データを配置する。推論やリアルタイム処理といった日常業務は、Edge DCで完結させることができる。一方、Core DC(郊外型データセンター)やCloud(GPU Cloud)は、大規模GPUでAIモデルの学習・生成を行い、汎用LLMとして機能する。
GPUリソースの効率的な配置・最適化は、業務の迅速化やコスト低減に必要不可欠である。
規模やアクセシビリティなど、データセンターの特徴を理解した上でのGPU配置が効果的だ。
データ主権・ソブリン要求といった課題の解消に向けて
データ主権・ソブリン要求の高まりは、企業におけるAI活用に関する最重要テーマとなっている。AIの導入を検討する際に、EUのAI規制法に代表される規制強化や地政学リスク、越境制約を課題だと考える企業は、約85%に上っている。多くの企業がリスクや規制を十分に考慮した上で、AIを導入する必要があると捉えているわけだ。こうした課題を解消した上で自社に適したAIの導入を実現するためには、国内主権、地域主権のAIを安全な推論基盤を用いて利用することが必要となる。
急増しているAI導入の制約条件
急速に増加しているAI導入の制約には、以下のようなものがある。
| 顕在化しているAI導入の制約 |
|---|
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・データ越境 ・学習・推論ログの所在 ・域外法(国外法)の影響 ・改正個人情報保護法 ・経済安全保障推進法 ・技術資産 ・外資クラウド依存リスク |
特に金融や製造業、公共事業、社会インフラを担う企業のシステムには、こうした制約条件への早急な対応が必要になっている。
TISインテックグループの
都市型データセンターが提供する価値
TISインテックグループでは、都市型データセンターにおけるAI活用を「推論」に位置づけ、都市型推論拠点としてのAI活用を実践している。
業務の一部であるAI推論は、業務の近くに配置された拠点で行うことが重要となる。TISインテックグループが運用する都市型データセンターは、推論拠点に求められる以下のような強みを備えた施設だ。
| TISインテックグループ 都市型データセンターの強み |
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・データ主権を維持したソブリンAI推論基盤 ・低遅延・高速接続によるリアルタイム処理を可能にするネットワーク環境の整備 ・機密・業務データを守る堅牢なセキュリティ ・既存のシステムとAPIシステムの連携 ・システム運用・BCP・セキュリティを提供 |
東京第4DCの概要
TISインテックグループの東京第4DCは、都市型データセンターに求められるさまざまな機能や条件を備えたDCだ。
JR山手線の3つの駅から徒歩10分圏内という好立地に位置する、延床面積20,000㎡の大型データセンター専用ビルである東京第4DC。この施設の主な特長は、以下の通りである。
1. 品川エリアに位置する便利なアクセス
・複数路線が乗り入れる品川エリア、最寄駅から徒歩10分の便利なアクセス。
2. 堅牢な設備と万全のセキュリティ
・東京都都市整備局が定める「地震に関する地域危険度」において、最も危険性が少ない地域に位置する。
・約3,000ラックの大規模施設で、震度6強でもIT機器が正常稼働する免震構造を採用。
・立哨警備、生体認証、共連れ防止ゲートを組み合わせた多段階認証によって、万全のセキュリティを実現。
3. システム運用のDX化を推進
・24時間365日体制で、オンプレミスからクラウドまでをサポートする運用体制。
・ITILをベースにした保守・運用のフレームワークによって、継続的な改善を実施
・リアルタイム映像配信によって遠隔地から現場を確認することで、迅速で的確な作業指示が可能。
・多種多様なITインフラにおける運用設計、構築、技術サポートをワンストップで提供する。
4. さまざまなニーズに応じた柔軟なサービスを提供
・クラウドやインターネット、データセンター間接続など、さまざまなネットワークを提供する。
・GPU・AIサーバー設置スペースを増床し、 高負荷サーバーに対応。
・BCP拠点として、TISインテックグループの大阪・富山データセンターの利用が可能。
・IT運用の自動化や省力化を実現する、各種サービス・コンサルティングを提供。
5. 強くリスクが指摘される、富士山噴火による降灰への備え
BCP(事業継続)という点で、対災害に強固なデータセンターであることは当然として、最近そのリスクが強く指摘されているのが、富士山の噴火による降灰の影響である。
富士山噴火の規模や風向きなどの条件により状況は変わるものの、東京都による発表では、最悪のケースで東京都内の広範囲に2~10cm程度の火山灰が降り積もる可能性があるとされる。もし降雨と重なった場合、碍子(電線等を支える器具)の絶縁低下による停電や、火力発電所の吸気フィルターへの影響など電力インフラに大きな影響が出ると想定され、通信においてもアンテナや基地局への影響で障害が発生する見込みだ。
TISインテックグループの東京第4DCでは、その影響を回避する対策も新たに実装し、万が一に備える。(2026/7~)
TISインテックグループが提供するAI活用支援サービス
TIS株式会社IT基盤技術事業本部
穴太 隆氏
TISインテックグループでは、お客様それぞれの目的や条件に合ったAI活用をあらゆる面からサポートするサービスを提供している。
1. AI基盤の導入コンサルティング
具体的な業務課題を踏まえ、最適なAI環境導入のコンサルティングを行い、お客様の課題解決に最適なシステム構成、ツール選定、業務システムとのAPI連携等の実現をサポート。AI基盤の円滑な導入を進めるためのパートナーとしての役割を遂行する。
2. AI基盤システム構築・開発
上記AIの業務活用戦略に基づき、機密データの取り扱いなどを考慮した上で、システムの設計を実施、お客様のニーズに即したシステムを構築。既存のシステムにある業務データの活用を可能にするAPI連携や、データそのものをAI活用可能な形式に変更する等、必要な機能を構築・開発し提供します。
3. 運用・保守サービス
そして、新たに完成したシステムを、運用保守するため、経験豊富な技術者による24時間365日体制でノンストップの運用・保守・監視を実施。長年にわたる運用経験とスキルによって、システム運用負荷の軽減、最適なインフラ環境作りを実現する各種運用支援サービスを提供する。もちろん稼働後の機能追加や信頼性向上、性能向上といったエンハンスについても継続的に実施していく事で、常に最適なパフォーマンスをお約束します。
4. 教育・トレーニング・技術支援
GPU、AI活用のための社員教育やトレーニングにくわえ、自社が必要とする導入後の技術支援、QA対応によるアドバイスの提供や分析・評価支援を実施する。
2026年7月にTIS株式会社と株式会社インテックは合併し、新たな名称であるTISI株式会社としての活動をスタートさせる。これを機に、よりいっそう総合力を高め、企業のAI活用を最適化させる高品質な各種サービスの提供に取り組み続けていく。
掲載内容は、2026年3月現在のものです。
