導入事例
旭化成株式会社様
掲載月:2019年2月
内部統制やコンプライアンスにもかかわるID管理は、システムの根幹をなすもの。データの正しさ、真正性の証明にID管理ソリューションは欠かせません。
業務効率向上セキュリティ対策働き方改革テレワーク
導入したサービス
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資料ダウンロードページへ総合化学メーカーの旭化成は、業務システムの内部統制のためID管理ソリューションを利用しています。以前使用していたID管理ソリューションの保守サービス終了を機に、社内のID管理を見直し、インテックのID統合システム「束人」を導入しました。その目的や導入効果について、旭化成IT統括部 システム運営グループ グループ長 鈴木明氏、課長 塩月修平氏、坂口円氏、大和利久氏、および同社のシステム構築や運用を支援しているAJS インダストリー事業本部 第1事業部 ビジネスシステム2部 経理財務グループ 太田広毅氏、冨野宏美氏に伺いました。
解決したい課題
日本企業の組織にマッチしたID管理が可能
13の異なる業務システムのフォーマットに対応できる柔軟なシステム
夜間のバッチ処理を高速化。将来的な連携先システムの追加にも対応可能
グループ全体の共通ID管理基盤への展開を見据え、組織・人事体系に合わせたIDの管理、内部統制強化が可能なインテックのID管理ソリューション「束人」へ刷新しました。
素材から住宅、ヘルスケアまで
幅広く手掛ける総合化学メーカー
貴社のビジネスについてお聞かせください。
旭化成は、化成品・樹脂・繊維・エレクトロニクスなどを扱う総合化学メーカーです。グループ会社では、ヘーベルハウスなどの戸建て住宅や建材の住宅領域、医薬医療のヘルスケア領域も手がけています。サランラップのように多くのお客様にご利用いただいているものもありますが、当社の製品の多くは素材です。普段の生活のなかにあるさまざまな製品に、当社の製品が数多く使われています。
ビジネスを展開する上で大切にしている理念は、「人々の命と暮らしへの貢献」です。さまざまな業界に向けて品質の高い素材を提供することで、生活の向上、安全や利便性といったものに寄与していきたいと考えています。
内部統制強化目的で
ID管理ソリューションを導入
以前はどのようにIDを管理していたのですか?
当社では全従業員約30,000人のID管理が必要です。なかでもERP、会計、経理、人事などの、機密性の高いデータを扱う業務システムのユーザ約3,000人のID情報の管理には細心の注意を払っています。IDを管理するうえで負担の重い作業は、ユーザからの申請が正しいかをチェックすることです。申請内容と実際利用するシステムが合っているのか、そしてそれらが正しく登録されているのかという点を確認しています。
「別人がなりすましてアクセスできる」、「権限を持たないユーザがデータを改ざんする」といったことが可能であれば、財務会計のデータが信用できないことになります。データの正しさ、真正性を証明するためにも、適切なID管理の仕組みが必要でした。また、ERPは扱う業務領域が広く、会計、生産、購買、物流など多岐にわたります。そのため、どうしてもユーザごとの権限設定が複雑にならざるを得ません。個々の業務システムごとに管理していると漏れが生じるリスクがあるので、複数のシステムを統括できるID管理ソリューションが必要でした。
2009年ごろ、束人とは別の製品になりますが内部統制強化のためにID管理ソリューションを導入しました。
既存のID管理ソリューションの保守が終了。
代替のソリューションを検討
以前のID管理ソリューションからインテックの束人に切り替えた理由には、どのような要因、背景がありましたか?
2015年ごろ以前のID管理ソリューションベンダーから、「2018年12月に保守が終了する」と連絡がありました。機能に問題はありませんでしたが、サポートが切れた製品を使い続けるわけにもいかず、新しいID管理ソリューションを探し始めました。選定条件として、承認段階、承認経路を自由に設定できること、承認者の制限方法、履歴の記録や検索などの機能を必須としました。そして、信頼性の高いもの、実績のあるものという観点で候補に挙がったのが、インテックの「束人」でした。
束人の持つ柔軟性で、一対多の権限設定や
多くの業務システムとの連携に対応
ポイント1一対多の権限設定も容易に
当社では一人のユーザが複数の業務を兼務することが珍しくなく、複数の組織に所属して兼務するユーザもいます。しかし、以前のID管理ソリューションは、権限申請の際、組織と業務を一対一の組合せでしか登録できませんでした。 その点、束人は1組織に対し、複数の業務を選択できるため、入力や確認の手間が減りました。
また、最終承認時に申請者が指定した一次承認者の妥当性を確認する際、束人では管理画面上で一次承認者の本務と兼務が一度に表示されるため、確認の効率が上がりました。
ポイント213のシステムに対応できる選択項目のカスタマイズ
当社には、ERPを含む13の業務システムがあり、それぞれ業務の要件が異なります。そのため、システムによって承認に必要な項目、承認フローなどが異なってきます。束人は、連携先のシステムに合わせて、それらを柔軟に設定できました。また、画面カスタマイズの自由度も高く、権限の内容、承認者などを細かく設定できました。
また、当社の業務システムは、それぞれID管理の仕組みが異なっているため、業務システムへの連携方法が複雑だったのですが、それも束人で対応することができました。
ポイント3権限のコンフリクトチェックにも対応
選定要件の一つに権限のコンフリクトチェックがありました。例えば、製品を受注出荷できる権限と債権管理(入金業務)できる権限を同一ユーザに付与してはいけないなど、権限付与に制約を持たせるといったルールです。それらを束人ではパッケージの範囲内で対応することができました。
束人導入により、管理負荷が平準化、
夜間のバッチ処理も高速に
実際に束人を使ってみた感想、効果はいかがですか?
束人は、ユーザ権限の申請や承認などのフロー、棚卸し、内部統制のための監査に必要な証跡の提示に使用しています。
効果1棚卸日を分散し、管理負荷を平準化
束人を使ってみて感じるのは、管理する側の負荷軽減です。以前のID管理ソリューションでは、システムごとに日にちを設定し、年に1度一斉に3,000ID分の権限を棚卸しなければいけませんでした。
しかし、束人はユーザ単位で棚卸日を設定できます。ユーザ全員を同じ時期に棚卸する必要がなくなり、複数回に分けて棚卸することで負荷分散ができます。
業務が集中し時間に追われて仕事をすると、ついつい流れ作業になりがちですが、ゆとりが生まれることで、権限の設定ミスを発生させず、ユーザの業務が円滑に進むよう支援するという、私たちの本来の目的に沿った仕事ができるようになりました。
効果2バッチ処理の速度アップ。一晩で終わらなかった処理が30分で終了
以前のID管理ソリューションを使っていたころは、夜間のバッチ処理に時間がかかり、人事異動が多い月は特に時間がかかっていました。また、処理エラーが発生した場合は、朝になっても連携システムに反映されないこともあり、私たちも急いでリカバリー対応をする必要がありました。
アーキテクチャの違いもありますが、束人はバッチ処理が早く、これまで5時間程かかっていた処理が長くても30分程度で終わります。
以前は4月、10月の人事異動の季節は身構えていたのですが、今では安心してその日を迎えられます。事前の性能テストでこれを知ったときは、思わず「良い製品を選んだよね」と盛り上がってしまいました。
通常の申請や承認の作業においても、処理スピードは早くなっています。利用者が集中するときの画面切り替えや、検索も早くなり、ストレスなく使えるようになっています。
内部統制にかかわるすべての業務システムを
束人による管理へ
今後、IDの管理をどのようにしていきたいとお考えですか?
旭化成グループ全体のID管理の基盤として、束人を使うことを検討しています。内部統制にかかわる業務システムは全部で約20ありますが、残りのシステムも束人でID管理できれば管理効率は高まりますし、真正性も担保できます。監査法人に対する説明義務の面からも、そうするべきだと考えています。
将来的に連携システムが増えたとしても、束人の処理速度ならば対応できると信頼しています。
プロジェクトの対応はいかがでしたか?
今回は、旭化成の情報システムに精通し、新旧のID管理製品を把握しているAJSがプロジェクトを統括し、製品ベンダーのインテックが開発を担当するという体制で進めました。両社ともにTISインテックグループの一員であることから、お互いの連携もスムーズでした。状況を把握しているメンバーや製品知識を持つメンバーが会議に参加しており、「こういうことはできるのか?」と相談すると、その場で意見をもらうことができたので、スピーディーに進められるだけでなく、非常に安心感がありました。
移行プロジェクトも、問題なく順調に終わったという印象を持っています。
今後インテックに期待することがあればお聞かせください。
ID管理は業務システムの根幹であり、正しいユーザが正しく業務システムを使うことを担保する上では欠かせません。今回作ったID管理のしくみは、将来に渡って使っていきたいと思っています。業務システムを安心して長く利用できるよう、今後もサポートを期待しています。
掲載内容は、2019年2月現在のものです。
お客様プロフィール
お客様名 | 旭化成株式会社様 |
本社所在地 | 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 日比谷三井タワー |
URL | https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/ |
設立 | 1931年 5月 |
事業内容 | ケミカルをコアテクノロジーとする繊維製品、化学品、エレクトロニクス関連素材を手掛け、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で事業を展開している。旭化成グループを束ねる事業持株会社として、「グループ全体戦略の立案」「グループ資源配分の最適化」「グループ経営執行の監督」の役割を担う。 |
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