導入事例
株式会社伊勢半様
掲載月:2018年11月
OSバージョンアップのタイミングで、ネットワークに大きな遅延が発生。安定性と将来性を期待して、インテックの閉域ネットワークサービス「統合型閉域ネットワークサービス(EINS/MOW DCAN)」に決めました。
業務効率向上運用負荷軽減BCP/DR対策
導入したサービス
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資料ダウンロードページへメイクアップ化粧品、基礎化粧品、医薬部外品など、化粧品全般を製造・販売する株式会社伊勢半は、グループ企業全体を接続するネットワークインフラとして、インテックの閉域ネットワークサービス「EINS/MOW DCAN」を導入した。その背景や導入目的について、財務・情報管理本部 情報システム部 野中信良氏、橋本雅人氏、永田雅史氏にうかがった。
解決したい課題
たびたび遅延が発生するネットワーク環境を刷新
プロバイダーを介さない独自のネットワークサービスで遅延を解消
定例運用をアウトソーシングし、売上・利益に貢献できる提案型情報システム部門へ
ネットワーク回線遅延を解消するためには、高品質・高コスト回線への切り替えが必要。プロバイダーを介さない「EINS/MOW DCAN」で安定したネットワーク環境を提供可能へ。
江戸時代から続く伝統的な紅から、
時代にあった化粧品まで製造販売する老舗
貴社のビジネスについてご紹介ください。
伊勢半グループの中心事業は、化粧品の製造販売です。江戸時代から事業を継続してきた経験とノウハウをもとに、全国のドラッグストアなどで、品質が高く、かつコストパフォーマンスに優れた化粧品を提供しています。
現在は、大人の女性向けの「キスミー フェルム」、マスカラやアイライナーなどを揃えた「ヒロインメイク」などのブランドを展開し、さまざまな層に向けて、製品を開発、販売しています。また伊勢半本店では、日本の伝統的な「紅」を、紅花を原料とする当時の製法そのままに作り続けています。
伊勢半本店の情報システム部は、グループ企業全体のICT環境を運用管理しており、商品の開発製造、販売などの業務効率化から、システムやユーザの管理まで、幅広くバックヤードからビジネスを支援しています。
最近は、業務効率化だけでなく、新しいサービスの提供、経営への貢献につながる取り組みを始めています。
OSバージョンアップなどのタイミングで、
ネットワークに大きな遅延が発生
ネットワーク環境の刷新に取り組んだ背景についてご説明ください。
私たちのグループでは10を超える拠点をネットワークで結び、日々の業務を推進しています。刷新前に利用していたネットワーク環境は、約5年前に構築したものでした。ネットワークに限らずインフラというものは、「快適に動いていて当たり前」と思われています。以前のネットワーク環境も、構築当初は快適に動いていました。
課題1ユーザからクレームが来るほどのネットワークの遅延が発生
ところが2、3年前あたりから一部の拠点でときどきネットワークが非常に遅くなる現象が発生しだし、利用部門からは「タイムアウトエラーによってメールの送受信が失敗する」、「サーバ上のファイルがなかなか開けない」といった問い合わせが寄せられるようになりました。もちろん慢性的に遅いわけではなく、月に一度あるかないかという現象でした。それが1年ほど前から月に何度も発生するようになり、大きなネットワーク遅延が起きると復旧までに1日を要するなど、日常の業務に支障が生じていました。
課題2回線が原因であるため、解消するには高品質・高コスト回線への切り替えが必要
私たちも、原因を追究したところ、特に、Windows Updateやスマートフォンのバーションアップなど、大きな更新がある時期にネットワークが遅延していることが分かりました。当時のネットワーク回線は、ベストエフォート型のものを利用していたため、社内でトラフィックが高まったときはもちろん、他所のインターネット利用によってトラフィックが高まった際にも、業務に支障が出るほどの影響が生じていたのです。原因究明には、会社が異なる回線キャリアとプロバイダーの双方を調査しなければならず、どちらに起因しているか、または両方なのかという切り分けに時間がかかりました。
ネットワーク遅延の問題をどのように解決しようと考えたのですか?
まずは、当時のネットワーク環境をそのまま活用しつつスピードを強化する策を検討しました。ただし、この案には費用面に課題がありました。
そこで、2016年の夏ごろ他のサービスも検討し始め、そのとき声をかけた1社がインテックであり、閉域ネットワークサービス「EINS/MOW DCAN(以下、DCAN)」を紹介されたのです。
プロバイダーを介さない独自の
ネットワークサービスに安心感
インテックのDCANには、どのような点で魅力を感じたのですか?
一番は安定性です。業務に影響を与えないようなスピードを安定して提供することは重要です。DCANの「プロバイダーを介さない」「インテックのデータセンターとの親和性が高い」ところに惹かれました。
特にメリットと感じたのは、プロバイダーを介さず、独自のネットワークサービスを提供する点です。インテック自身で回線を運用管理できるDCANであれば、万が一ネットワーク遅延が発生した場合でも、インテックに原因究明と対策を任せれば良いわけです。また、インテックが提供するDCANは、さまざまな回線を組み合わせて利用できることも魅力でした。
本社などの規模の大きなオフィスでは帯域確保型を、小規模な拠点ではベストエフォート型のアクセス回線を利用するなど、拠点の利用状況に合わせて、最適な回線を選択し構築すれば、効果に見合った投資ができると考えました。
さらに、データセンター利用の拡大を視野に入れた将来性も検討しました。当社は以前からインテックのデータセンターを活用しており、すでに一部のファイルサーバ、アプリケーションサーバ、データウェアハウスなどを設置しています。回線をDCANに移行すればデータセンターに設置したサーバへのアクセスも安定し、将来のICT利用の拡大も期待できます。
一発勝負のネットワーク刷新。
万が一に備えた移行プランをインテックは提案
インテックの印象はいかがでしたか?
インテックは移行プロジェクトの体制がしっかりしていました。プロジェクトのリーダーをはじめメンバー全員が技術力、サポート力が高いだけでなく、エンジニアと営業の間のコミュニケーションが良いのも印象的でした。また、問い合わせをしたときのやり取りがスムーズで、円滑に話を進められたことも高く評価しています。
以前のネットワークからDCANへの切り替えはスムーズでしたか?
インテックは全拠点を一斉に切り替えるのではなく、1カ月半ほどの期間をかけて順番に切り替えていくことを提案してくれました。すべての拠点を同時に刷新すると、仮にネットワークに問題が起こった場合、全社において業務システムやメールが停止するといったリスクがありました。しかも、各拠点での切り替えの際にはテストはできませんので、本番一発勝負にならざるを得ません。そこで万が一という事態を考慮して、新しい回線と古い回線を同時に利用できる期間を設けて、何か問題が発生した場合には、すぐに元の環境に戻せるような移行プランを立ててくれました。
また、実際に移行作業へ入る前には、各拠点にインテックのエンジニアが足を運んで下見を行い、ルーターなどの設置状況、配線ルートなどを細かく確認し、写真に保存してくれました。その様子から「確実に業務を遂行しよう」という気持ちが感じられ、私たちも安心感を覚えました。
ネットワーク安定化で業務もスムーズに。
将来、ICT利用拡大への足掛かりも
DCANに切り替えた効果は感じられましたか?
効果はすぐに感じられました。以前は遅延が発生したときは1Mbpsも出ないことがありましたが、DCAN移行後はスピードに不満を感じることはありません。利用現場からたびたび届いた「ネットワークが遅い」といったクレームも、今では皆無になりました。
切り替え直後は、情報システム部としてもWindows Updateの期日には「問題が発生するかもしれない」と警戒をしていたのですが、そういう心配も杞憂でした。
ときどきインターネットを通して回線スピードのテストをしてみるのですが、100Mbps以上のスピードが出ていることもあり、非常に快適です。
DCANでは、ネットワーク運用のアウトソーシングサービスもご利用いただいています。その効果はありますか?
導入効果1 クラウドサービスの選択肢が広がった
当社でも、クラウドサービスを積極的に導入していこうという考えがありますし、一部のクラウドサービスは利用しています。しかし、ネットワークに遅延が発生する環境では、新しいクラウドサービスの導入にも二の足を踏んでいました。DCAN移行後の現在は、その心配がなくなったので、安心して新しいクラウドサービスの検討に入れます。
導入効果2 BCPやDRへの道筋が見えた
以前は、ネットワーク環境の問題から、スピードが要求されるファイルサーバ、アプリケーションサーバは社内に置いていました。しかし、DCAN導入によるスピードアップの結果、データセンターに設置したサーバへのアクセスが高速化されたため、オンプレミスのサーバを、データセンターに移設する計画が具体性を帯びてきました。サーバをデータセンターに移設すれば、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)への対策も立てやすくなります。オンプレミスのままBCPやDRの対策をとろうとすると、他拠点にバックアップサーバを作らねばならないなど、コスト面の課題があります。しかし、インテックであれば、IaaSの「EINS/SPS」などと組み合わせて利用でき安心です。
導入効果3 情報システム部門の業務の質が変わった
私たち情報システム部の仕事の質も変わってきました。以前は、ネットワークに限らず、トラブル対応が多く、問題が起こればその原因を追究して、必要であればベンダーに問い合わせをしていました。トラブル対応には思いのほか時間がかかっていたのです。
ところが今では、新しいサービスを利用するために業務時間を割けることが増えてきています。例えば、新しいクラウドサービスの導入を考えた場合、インテックに「DCANとの親和性はどうか」「セキュリティ上の問題は発生しないか」「新たにポートを開ける必要があるが、問題はないか」といったことを、問い合わせています。トラブル対応といったパッチワークに時間をとられるのではなく、DCANをさらに使いこなすための前向きな業務に邁進することが可能になりました。
ネットワークのプロに任せる安心感。
情報システム部の業務はユーザ対応から提案型に
今後の展望をお聞かせください。
インテックのサービス、仕事ぶりからは「ネットワークのプロならではの安心」が感じられます。私たちも、ネットワークに関する知識を持ってはいますが、やはり専門のプロ集団にはかないません。プロフェッショナルなスキルを持つインテックにアウトソーシングすることで、情報システム部は、伊勢半グループ全体のICT活用をどう発展させていくかという業務に注力できます。
私たち情報システム部は単なるコストセンターから、利益に貢献するような新しいサービスが提供できる部門を目指しています。ネットワークに関してはDCANによってトラブル対応から解放され、提案型の情報システム部門に近づけたと思っています。
以前のネットワーク環境も構築当初は快適だったのが、時代が進むなかでトラフィックが増加し、品質が下がってしまいました。インテックのDCANは、ずっと今のままではなく、時代に合わせて新しいサービスが付加されるので、私たちのビジネスを長く支えてくれると期待しています。
掲載内容は、2018年11月現在のものです。
※2019年11月1日に EINS/MOW DCAN は「統合型閉域ネットワークサービス」へ名称を変更しています。
お客様プロフィール
お客様名 | 株式会社 伊勢半 |
URL | https://www.isehan.co.jp/ |
事業内容 | メイクアップ化粧品、基礎化粧品、医薬部外品など化粧品全般を製造・販売する、日本の女性用化粧品の草分け的存在。コーポレートブランドの「KISSME」は、「キスミー フェルム」、「ヒロインメイク」「ヘビーローテーション」、「キス」などのブランドを展開する。その一方で、文政8年(1825年)の創業以来、日本の伝統的な「紅」を当時の製法そのままに作り続けている、江戸から続く最後の紅屋である。 |
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