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掲載月:2019年3月

History of EINS WAVE vol.5 VDC(バーチャルデータセンター)構想からEINS WAVE登場へ

EINSによってネットワーク単体のビジネスからインフラ統合ビジネスへの転換を図ろうとしたインテック。仮想化技術の登場を追い風に、全国のデータセンターを結ぶ「VDC(バーチャルデータセンター)構想」を描いていた。今回は、EINS WAVE誕生の背景とインテックのデータセンター事業、およびEINS WAVEのソリューションについて話を伺った。

EINSから4年後にEINS WAVEが誕生した背景について教えてください。

実はIPネットワークサービスとしてEINSを提供していた頃から「VDC(バーチャルデータセンター)構想」を持っていました。仮想化技術を使って当社のデータセンターを高速かつ安全な大容量バックボーンで結ぼうというものです。

当社は横浜データセンターをはじめ、全国各地にデータセンターをつくっていました。当時はセンターという器だけ安く貸し出すといったデータセンター事業者も多かったのですが、当社はネットワークも得意ですから。

VDCのコンセプトは、首都圏・大阪・富山の3地域の高機能データセンター群を広域LANで接続し、ひとつのデータセンターとして機能させる、というものです。その頃ちょうど、仮想化技術が登場したんですよ。VMWare社が米国で設立されたのが1998年で、日本で販売を開始したのが2002年です。仮想マシンのおかげで、データセンターにアプリケーションを組み合わせた、今で言う「プラットフォームサービス」への転換を図ることができました。

データセンターの拡充にはかなり注力されていたのでしょうか。

インテックは元来、コンピュータによるデータ処理(計算センター)が本業でしたし、全国展開していた各地区センターの主要業務もデータ処理でした。また通信の自由化後は全国各地に通信設備を整えていったこともあり、それまでのコンピュータセンターを「データセンター」に置き換えていった、というのが実際のところです。

アット東京設立(2000年)

また2000年には東京電力とともにデータセンター事業会社「アット東京」を設立しました。東京23区内に総床面積10万平米を超える、当時としては世界最大規模のデータセンターです。当社は、お客さまに代わってシステムの導入と集中管理を担いました。

EINS WAVEはお客さまのどのようなニーズに対応していたのでしょうか。

2011年には首都圏・大阪・富山の各データセンターを高速ネットワークで接続するVDCネットワークが完成し、翌2012年には広域仮想クラウドサービス「EINS WAVE」が誕生しました。これにより、自動バックアップやセキュリティを標準装備し、パブリッククラウドとのハイブリッド接続も可能になりました。お客さまのさまざまな利用環境に合わせて提供できるようになったのです。

全国3地域のデータセンターを結ぶVDCCネットワーク

前年に東日本大震災が発生したこともあり、はじめはBCP/DRソリューションとしてのご利用が多かったですね。3地域は電力会社とプレート(岩盤)が異なるため、首都圏に集約しているシステムを富山にバックアップすることでBCP対策を図れるからです。

旬鮮酒場「天狗」を展開する総合フードサービスのテンアライド様とは、10年以上のお付き合いです。もともと、全国の拠点を結ぶネットワークを高速化したいとご依頼をいただいて以来、システムをまるごと当社データセンター(EINS/VDC)でお預かりし、ネットワークサービス(EINS/MOW DCAN)・インターネット接続サービス(EINS/MOW IIC)やセキュリティサービス、そしてEDI(EINS/EDI-Hub Nex)もご利用いただいています。テンアライド様には、お客さまに最高の雰囲気を味わっていただく店舗運営に注力していただき、ITシステムやネットワークの監視はインテックにお任せいただくという役割分担で、テンアライド様のビジネスに最適なソリューションを提案させていただいています。

テンアライド株式会社様の導入事例はこちらをご覧ください。

次回は、EINS WAVE of Everythingへの発展と今後についてお話ししたいと思います。

Interviewee Profile
NAME
鈴木 良之(Yoshiyuki Suzuki)
CAREER
昭和50年4月 株式会社インテック入社。
ネットワーク&アウトソーシング事業本部長、代表取締役副社長執行役員などを経て現在は当社常任顧問として後進の育成に尽力している。
(2019年3月現在の情報です)
Interviewee Profile
NAME
下田 一郎(Ichiro Shimoda)
CAREER
平成4年4月 株式会社インテック入社。
プロダクト販売および商品企画を経て、現在はネットワーク&アウトソーシング事業本部 事業推進部長として本部のプロモーション活動に従事している。
(2019年4月現在の情報です)

掲載内容は、2019年3月現在のものです。

※2019年11月1日に EINS/MOW DCAN は「統合型閉域ネットワークサービス」へ、EINS/MOW IIC は「インターネット接続サービス」へ、名称を変更しています。

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